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【メルマガを考える⑥】配信の設定と効果測定【ネクストライク142号】

『メルマガ』を考えるシリーズの6回目、最終回です。
【配信の設定と効果測定する】 

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【配信設定する】

1.配信リストを作成する
全リストの中から今回配信するリストを抽出します。
リスト全員に配信すると開封率やクリック率は低くなり、正しい効果測定と分析が出来ないからです。
あらかじめ、時間に余裕をもって、目的と内容に沿って、セグメントされたリスト先に送信します。

2.配信の形式を決める
「テキスト」と「HTML」の2種類の形式があります。
日本ビジネスメール協会の調べでは「テキスト」が68%を利用していますが「HTML」も増えています。
正しく表示されるかは、受信者側の環境に依存される問題点はあり、また、「HTML」は作成に専門的な知識は必要になりますが、写真や動画を組み込むことができ、さらに、視覚的な訴求が可能なため開封率やクリック率のアップが期待できます。また、アーカイブ機能も活用できます。

3.配信設定を行なう
一般的に、メルマガが開封されやすい曜日は、火曜日~木曜日、と言われています。祝日や連休有無、月末・月初など、リスト先の仕事状況などで、曜日や時間帯を考えます。

【効果測定する】
以下の4点がチェックポイントです。
ある程度、指標目標をクリアすることも大切ですが、それ以上に忘れてならないのは、目標にこだわり過ぎるあまり、売り込みモードになって、逆に、見ていただけなくなる危険性もあります。メルマガの成果は一日にしてならず。小さなことから、ひとつづつ改善し続けることがいちばん大事です。

1.到達率
実際にメルマガが届いているか、の指標です。
到達数/配信数=95%が目安です。アドレスが違った、退職した、迷惑フィルターにかけられているなどで、受信者に届かない場合があります。到達率が悪い原因は、リストの質が悪いことがあります。

2.開封率
お客さまにメルマガが開封されたか、件名をみて、興味を持ってもらえたか、の指標です。
開封数/配信数=15~20%が一般的です。しかし、お客さんとの関係性から見ると、新規客で5~10%、見込み客で10~15%、既存客の場合で15~30%ほどと言われ、やはり属性によって、開封率が異なることがあるようです。開封前に受信者が確認できるのは、「送信日時」「差出人名」「件名」の3点です。
開封率を上げるためには、テクニック的には、ターゲットを意識した「内容」と「タイトル」をつける工夫が必要です。

3.クリック率
コンテンツ内のURLコンテンツをクリックした割合です。
そのメールは、心に響いたか、の指標です。一般的には、クリック数/配信数=2~5%が目安と言われています。

4.コンバージョン率
配信したメールで設定した達成したい目標項目です。
・資料請求
・セミナーへの参加
・アンケートの回答
・会員登録
・お問い合わせ

5.メルマガのKGIとKPIについて
KGIは、最終的なゴールとする指標(売上額やコンバージョン数など)、KPIは、KGIを達成するための中間指標(到達率、開封率、クリック率、コンバージョン率など)です。KPIの各指標が達成できれば、KGIも達成できることになります。一般的な指標では、配信数を100%として、到達率はその95%、開封率はその20%、クリック率はその10~20%コンバージョン率はその10%と言われています。
ご参考の方程式です。
配信数×到達率(95%)×開封率(20%)×クリック率(10%)×コンバージョン率(10%)=0.2%
※クリック率が高いのは、一番上、一番下、中間、の順と言われています。
※コンバージョンは、資料請求やお問合せなどです。

【そのほか大切なこと】
1.他のダイレクトマーケティング手法(DMや定期情報誌など)と比べて、コストパフォーマンスがいい。
・作業時間や印刷・郵送料など掛からないトータルコストの安さ
・作成負担の軽減
・決めてから配信するまでのスピード
・掲載する質と量(リンクや添付、動画)が多い、こと等。
※たとえば、チラシ1枚制作した料金で配信ができます。メルマガですと、印刷なしで、何カ所でも、チラシに限らず、動画やHPコンテンツなど含めて瞬時に、送れるメリットがあります。
2.本当にお客さまにとって有益であれば、お客さまとの接点
(日頃の電話やメールのやりとり、訪問する)の機会に購読のお願いをすることも必要です。
また、メールアドレスをいただいたのですから、配信している「メルマガ」について感想や希望、ご意見などをいただくことで、いい営業接点の機会にもなるのではないでしょうか?

3.あまり目標にこだわり過ぎると、お客さまに、ただの売込みと感じられるかもしれません。
メルマガは日頃の信頼関係で成り立って行われている営業活動上の接点の強化にある立ち位置は忘れてはいけません。

4.メルマガのそれぞれの数値を高めるには、件名の最適化や属性やペルソナ別に
ニーズを満たす内容を送り、定期的に、コンテンツの検証のほか、シナリオ全体の見直しも必要です。
マーケティング活動の中でメルマガをどう位置づけ、どういった機能で、全体としての相乗効果を出すのか、年間プランの中で落とし込むことが必要です。
ネクストの「マーケティングコミュニケーション」視点の強みを生かしたいと思っております。

5.メルマガで、全てを伝えない。
メルマガ内で伝えることには量的に制限があります。
また、オウンドメディアやYouTubeなどにリンクするなどに誘導することで、よりくわしい情報を伝えることができます。カスタマージャーニーに沿って動線をつくります。

6.メールの目的によって使い分けする。

「キャンペーン」メールとは区別して、「関係づくりのメール」には営業色は入れない。

7.配信リストが少ない場合の対策は?
配信数は目標に対して十分に確保できているかがまず、大事です。
日ごろの営業活動先のほか会員募集チラシや募集キャンペーン、展示会・セミナー、紹介、HPでのメルマガ会員募集を行い配信リストを充実します。特に、社内営業マンや流通・販売店には、メルマガ配信・購読のメリットを充分理解して、リスト化をお願いいたします。
その際、お客さまがメルマガ会員として自主的に登録することが、開封率アップにつながります。

8.休眠対策
一定期間活動のない休眠顧客に対して、何らかのアクションを促すようにメールでアプローチするものです。
メールのタイトルや差出人の表記を変える、件名に社名があればそれを外す、お得感のある件名にするなど
工夫します。休眠リストを削除する前に、確認のためのメールや電話をして確認することもあります。