【早わかり】ネクスト流、メールマーケティング企画作法。【ネクストライク165号】

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たとえば、こんなお困りごとを解決するひとつの手法が、これから考える「メルマガ企画」です。
以下は、ネクストライク140号から142号の骨子を抜粋し、新たに加筆したものです。
社内外で企画するときのご参考になれば幸いです。

たとえば、こんなお困りごとを解決するひとつの手法が、これから考える「メルマガ企画」です。
□本社から社内営業担当者や流通、販売店、設計事務所などにマーケティング情報を送っているけど、
なかなか・・・
□施策やツールの周知徹底が出来ていない
営業マン、販売店まかせになっている。
□定期情報誌を配布しているけど読んでくれているかはわからない、
効果測定していない
□キャンペーン期間中に立ち上がりが遅かったり、中だるみがある
□メルマガを運営しているが効果が出ていない
□Webサイトをつくったけども見てくれない

それでは、「メルマガ企画」について、弊社の実際の提案書フォーマットに沿って、考えてみたいと思います。

1.目的と目標の確認
メール配信の目的と目標(欲しい結果)を決めます。

目的の例)
①サイトの流入を増やす
②新規顧客の獲得(展示会・セミナーなどの問い合わせを増やす)
③営業が回りきれない既存客との接点の強化
④見込み客の育成(研修・セミナーの集客や追客)
④既存客のリピート・既存客の離脱の防止(コミュニケーションの継続)
⑤新商品の認知や理解、問い合わせ、売り上げ増

2.対象とする商品の選定
3.事業部における「メルマガ」の位置づけの確認
メルマガは大きく、流通販売店向け(B)とエンドユーザー(C)向けに大別されます。
BtoBの場合、まず、自社の営業マン支援としての機能ですから、当然、展示会や研修会セミナー前後に、
「メルマガ」の登録と配信を活用した営業フォローが必須です。そのほか、商品サイトやオウンドメディア
(集客サイト)へのアクセス、販売組織の勧誘の材料、キャンペーンやマニュアルなどの施策・ツールの徹底を
行うことで、売り上げへと結びつけます。
このメルマガの位置づけは、そのまま、メルマガの成果にも関係しますので、極めて重要です。

4.配信先の選定
既存の配信先リストは、社内に必ず、存在します。
営業部(エリア)やマーケティング部、広告部、ショールーム、コールセンターなどに、
分散して保存されている顧客リストを整理・集合します。

【既存リストの例】
□営業担当者の所有名刺やリスト
□展示会やセミナー、キャンペーン、販売コンテストなどのプロモーション施策によるリスト
□定期誌やDM,テレマーケティング定期的施策でのリスト
□HPやWeb,資料請求・お問い合わせなどのリスト
□広報、パブリシティ活動のリスト
□業界誌やオピニオンリーダーのリスト
□そのほか、団体や会員組織のリスト

注)配信リストは配信停止や転職者などにより減少します。定期的にスクリーニングしながらも、増やします。

5.ターゲットの設定
BtoBの場合、たとえば、情報を集める人、社内稟議書を書く人、購入決裁者、商品を実際利用する人などの役職や立場の違いなどで、関心ごとが異なるため、それぞれの、関与者の悩みや興味関心事、意思決定の基準などを仮設して、具体的なターゲットを設定します。
ターゲットを明確にすると、コンテンツの軸がはっきりし、他社と差別化でき、競合も避けられます。絞らないと、誰にも興味を持たれないことにもなります。

見込み客全員に同じ内容を送るのではなく、業種・業界別、属性別、ニーズ別、理解度別など、それぞれのセグメントが欲しいであろう情報を適切な量を適切なタイミングで送ることで、開封率を高め、見込みランクを上げることができます。

6.配信の頻度
配信頻度は、ターゲットや内容によるため、頻度の決まりはありません。
「しつこい」と思われないように、でも忘れられないような、適度な距離感を演出します。
営業個々人のメールとも関係しますが、受信側から見て、
同じ企業から、「月に1~3回」が33%が最も多く、「週に1~2回」が25%、
「面白ければ頻度にこだわらない」が18%との結果があります。※
いかに、ターゲットの心を刺すか、その内容に、大きく影響されることが読み取れます。
※ITコミュ二ケ―ションズ、BtoB商材の購買行動に関するアンケート、2018年10月調査)

7.ネーミング(ロゴ作成)を考えます
コンセプトを一言で集約するネーミングを考えます。
商標登録する際は、約2か月ほどかかりますので、早めの決定が必要になります。

8.配信の形式、フォーマットデザインを決めます
「テキスト」と「HTML」の2種類の形式があります。
日本ビジネスメール協会の調べでは「テキスト」が68%を利用していますが
「HTML」も増えています。
正しく表示されるかは、受信者側の環境に依存される問題点はあり、また、「HTML」は作成に専門的な知識は必要になりますが、写真や動画を組み込むことができ、さらに、視覚的な訴求が可能なため開封率やクリック率のアップが期待できます。
また、アーカイブ機能も活用できます。

9.記事コンテンツの作成
あらかじめ、カテゴリーとその内容一覧を決めます。
その際、社内リソースで不足する場合は、外部のパートナーに協力してもらい捕捉します。
継続することが成果を出すポイントになりますので、コンテンツは常にストックしておくことが極めて重要になります。

記事コンテンツは以下で構成されます。
①メルマガの名前や号数、会社名などの「ヘッダー」、「件名」周りのデザイン
②挨拶や内容説明などの「リード」
③ボリュームがある場合は「目次」
④「本文」と「添付資料」
⑤発行者の名前やお問い合わせ、メルマガ解除、フォームへのリンクなどの「フッター」

記事コンテンツの例)
□新商品・新サービス情報
□社内の声(商品開発者、現場営業担当、幹部、コールセンター、研究所など)
□プレスリリース
□業界ニュース(業界誌タイアップ)
□キャンペーンやコンテスト、展示会やセミナーの案内・招待
□HPの新着掲載の内容(カタログや商品情報、商品・提案動画へのリンクなど)
□ブログ記事(需要喚起)
□販売のお役立ち資料(チラシ、マニュアル、提案書、ニュースレターなどのツール)
□販売ノウハウ(集客~商談・フォロー)
□現場営業担当の声
□販売成功事例(取材)
□お客さまの購入の声(取材)
□オピニオンリーダーとのタイアップ
□調査レポート
□編集後記
□FAQ(よくある質問:営業やコールセンターの活用)
□メール会員の活性化のための、
クイズやアンケートなどの読者参加型施策やキャンペーンなどの特典、
座談会などが考えられます。
□営業からの問い合わせに対する回答(コールセンターの活用もあります)

商品まわりコンテンツなら、「人物」に焦点を当てて取材することで、心を打つ、他にはない唯一無二の事例にすることができます。たとえば・・・

①「自社商品の選ばれる理由」記事
商品の機能紹介をしているだけのメーカーの一方的な商カタログ型ではなく(販売店に)選ばれた理由を詳しく記事にする
②「企業や事業部、マーケティング部門としての商品情報発信」記事
なぜその商品は生まれたのか。商品を発売する(した)理由や、なぜその商品を提供しているのかという市場や業界に対する意義などを記事化する。その製品が持っている「WHY(なぜ)」の説明。
③「企画開発部門の担当者としての商品情報」発信記事
世の中に、同じ人はいません。なので、商品の提案や開発している、人も重要なコンテンツ要素になります。人に焦点を当てて商品提案の様子(提案や工夫など)や企画調査そして開発の苦労話しを語ってもらいます。
④「販売事例」記事
販売店が商品を実際に販売した経緯や販売した結果などの事例を、インタビューし、社名と説明で紹介。
⑤商品の「活用シーン事例」記事
商品がどのような用途で使えるのかの具体的な活用シーン事例。
⑥上手いってる会社へのインタビュー記事
上手くいっている販売店に、取材インタビューを行い、その様子を記事にしたり、動画にしたりなど。長編の場合はメルマガで分割紹介、ブログ記事にもする。
⑦よくある質問
一般ユーザや販売店からよく聞かれる質問をリストアップし、その回答をサイトに載せる。

10.配信設定、配信する
全リストの中から今回配信するリストを抽出します。
リスト全員に配信すると開封率やクリック率は低くなり、正しい効果測定と分析が出来ないからです。
あらかじめ、時間に余裕をもって、目的と内容に沿って、セグメントされたリスト先に送信します。一般的に、メールが開封されやすい曜日は、火曜日~木曜日、と言われています。
祝日や連休有無、月末・月初など、リスト先の仕事状況などで、曜日や時間帯を考えます。

【その他】
参考1)本当にお客さまにとって有益であれば、お客さまとの接点(日頃の電話やメールのや りとり、訪問する)の機会に購読のお願いをすることも必要です。
また、メールアドレスをいただいたのですから、配信している「メルマガ」について                             感想や希望、ご意見などをいただくことで、いい営業接点の機会にもなるのではないでしょうか?

参考2)あまり目標や結果にこだわり過ぎると、お客さまに、ただの売込みと感じられるかもしれません。
「メルマガ」は日頃の信頼関係で成り立って行われている営業活動上の接点の強化
にある立ち位置は忘れてはいけません。

参考3)「メールマーケティング」のそれぞれの数値を高めるには、件名の最適化や属性やペルソナ別に
ニーズを満たす内容を送ると同時に、定期的に、コンテンツの検証のほか、シナリオ全体の見直しも必要です。
マーケティング活動の中で「メールマーケティング」をどう位置づけ、どういった機能で、
全体としての相乗効果を出すのか、日ごろの営業活動での活用は当然、その他、会員募集チラシや募集キャンペーン、展示会・セミナーでの紹介、Webサイトでのメルマガ会員募集、新商品の案内、施策やツールの告知、アンケート調査など、広く年間プランの中で落とし込むことが必要です。
また、メールマーケティングは、MA(マーケティングオートメーション)でも中心的な役割を果たします。このメルマガで培った経験とノウハウは、将来,MAを導入するときに、きっと役立ちます。そのためにも、是非、メールマーケティングはマスターすべきと思います。
ネクストは、「デジタル活用」に強いマーケティング&コンサルタント会社として、「マーケティングコミュニケーション」視点の強みを生かしご提言したいと思っております。

メルマガ活用を考えるシリーズ① メルマガの特長とネクストの強み【ネクストライク112号】

【メルマガを考える①】いま、最低限取りくむべき基本的なデジタル施策とは?【ネクストライク137号】

 

 

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