非接触型営業、インサイドセールスとは?  【ネクストライク179号】

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BtoB業界の営業は、電話とアポ取り、訪問による足で稼ぐ訪問営業が主体でした。しかし、インターネットの普及でBtoCだけではなく、BtoBでも、お客様自身が商品やサービスを探し比較して購入先を見つける時代、日頃の情報収集の習慣がインターネット中心になってきた上に、働き方改革やコロナ過での非接触、在宅ワークの定着化により、従来の営業訪問中心のスタイルは見直されてきています。

また、最近の顧客は、時間を割いて営業マンに会うより以前に、効率的な購買を目的にインターネットで情報収集することを好むようになってきています。
企業側から見ると、「会ってくれない」「ニーズを教えてくれない」「競合の情報も知っている」顧客に非接触でいかにコミュニケーションを取り成約につなげるかが、大きな課題になりました。顧客獲得や成約化を仕組み化できるMA(マーケティングオートメーション)やWebサイトなどの施策が注目されています。

BtoB業界の購買行動は金額が高く社内の複数の部署や担当者が関与し、それぞれの検討や承認を得て行われるため、かなりの時間を要することが一般的です。このため、せっかく獲得した顧客の検討を始める機会を逃さないこと、しかるべきタイミングで提案やクロージングを他社以上に徹底して行う必要があります。商品の詳しい情報を認知してもらう、興味関心をもってもらう、理解してもらう、他社比較を通じて本格的に検討してもらうことなどの購買の各ステップを確実に促進させる施策が欠かせません。

せっかく手間とコストをかけて獲得した見込み客の個人情報(以下、リード)、例えば展示会で獲得してもその後どれだけ営業フォローして成約化できたでしょうか?
展示会やセミナーなどの来場者のうち、「すぐ客」は5~10%程度に過ぎず、残り大半は「そのうち客」であり、さらに「そのうち客」のうち、2年以内に8割の顧客が購買検討を始めるとの調査結果もあります。
営業フォローができない、しない、数多くの「そのうち客」は「すぐ客」中心に動く傾向の強い営業に任せるのではなく、マーケティング部門などがフォローと見込み客への育成を行い、そのあとのクロージングを営業マンが行う、インサイドセールス戦略を検討したらいかがでしょうか?

インサイドセールスは「実際の訪問を行わない営業」、非接触型営業。獲得した顧客(情報)を見込客に育成し、WebやMA(メルマガ)、電話などを駆使した営業に引き継ぐ仕組みです。よく使われてきた営業プロセスの初期段階だけで行うテレマーケティングと異なり、今まで営業が行っていたクロージング以外の全て、つまり、顧客情報の獲得からヒヤリングや情報提供、提案活動、定期的なフォロー、見込み度の高い見込み客への育成、さらに成約見込み客を営業に引き継ぐまでの一貫した、営業マンの代わりとなる機能を果たすことが可能です。

特に、BtoBの場合、Bに対する営業パワー(営業人数やネットワーク拠点数)は弱くても、インサイドセールスなら、その弱点をカバーすることもできます。MAなどを導入することで、訪問営業活動することなしに、電話やメール、Webサイトなどを活用して潜在客を顕在化させ、ある決まった基準の見込み客に高まった段階で必要な情報を添えて営業マンに引き継ぐ戦略への転換を行うことができます。

【まとめ1】従来の営業活動とインサイドセールスの違い
1.非接触の営業
2.お客さま視点
3.顧客が望まない限り「売り込まない」
4.フィールド営業よりも接触頻度が高い

【まとめ2】インサイドセールスのメリット
潜在客への対応はインサイドセールス、見込み客対応は営業が行う。
1.フィールド営業マンはクロージングに専念できる
2.クロージング以外の営業コストが削減できる
3.定期的なフォローを行うので、提案のタイミングを外さない
4.インサイドセールス情報によって的確な提案が可能
5.インサイドセールス体制で中長期的な顧客管理が行える

【インサイドセールス】活動の全体の流れ

インサイドセールスの導入と成果を出すには、それなりの手間と時間がかかりますが、個人の能力に依存した営業スタイルからの脱却し、社内のノウハウを蓄積することで全社組織的な営業の仕組み構築することができます。

1.目的の明確化
1)顧客リストを入手し顧客情報(以下、リード)の獲得活動を行う
2)獲得したリードの育成
2.評価項目・KPIを明確にする
リード獲得数やアポイント数などの目的だけではなく、実際の提案、商談決定数、実施の商談数、成約率、受注件数・金額の指標も関連して評価します。
3.顧客リストを入手しリードの獲得活動を行う

大きく4つのヒヤリング項目を設定し、主に、メールや電話にてリードを獲得する。
①興味関心があるか
②決裁権のある担当者か
③実施時期は決まっているか
④予算措置は可能か

4.獲得したリードを見込み客に育成する
Webサイトやメール・MAや電話、オンライン会議などの非接触での施策での、資料請求・お問い合わせなどにより見込み度を高め、、そういった履歴を点数化(スコア)することで、高点数ランク客を営業に引き継ぎ、成約に結び付けることができます。

5.営業部と連携
インサイドセールスと営業部との役割分担と引き継ぎ段取りを決める。特に、アポイントの設定や事前情報の内容、見積もりの範囲、クロージング情報提供範囲といったインサイドセールスの領域と、提案やクロージングの経過と結果の報告、連携成果などの営業マン領域の2つの、相乗効果を検討します。
業界や企業によって置かれた状況や抱えている悩みや疑問点、解決したい問題点はそれぞれ違います。

顧客に一方的な企業商品目線で購買を仕掛ける売り手視点で、多額の広告費と手間がかかる広告媒体や展示会やイベント、セールスプロモーション施策、営業マンのセールスにより売り上げに結び付ける従来型の訪問営業に対して、非接触型営業であるインサイドセールスは、全く異なります。

具体的には、お客さま視点で、企業HPや商品サイト、販売支援サイトなどのWebサイトのほか、SNS・メール配信(メルマガやMA)、Webセミナー・会議、商品やキャンペーン、コンテストなど販売施策ツールなどの広範な施策を行うことで、お客様に有益な情報を最適なタイミングで提供、見込みランクを上げ成約化し売り上げに貢献します。

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