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Web成功の条件、デザインよりシンプルな設計とコンテンツが重要になってきた!【ネクストライク187号】

多くのPCサイトでは、限られた画面構成の中にいかに要素を詰め込んでいくか、というサイトデザイン設計が多いようです。確かに、最大網羅した方が企業側(作成担当者)は満足かもしれませんが、読者の視点は、どれだけ配慮したのでしょうか?正直、それを想像するのは難しくないようです。例えば、イメージ訴求目的のブランディングサイトや商品サイトは別にしても、手間と費用をかけてWebデザインすることに疑問があります。コロナ禍で非接触が日常化され、Webサイトとの差別性を強めるためには、読者が検索して調べやすいサイト設計とコンテンツの質が重要になります。極論しますと、これからの時代、Webデザインではなく(費用があればできますので)、読者に合わせたサイト設計とコンテンツの考え方がサイト間格差を生み、優劣がはっきりし淘汰されます。Webが成功するためには、シンプルなサイト設計とコンテンツをもっと重視すべきと提案いたします。

1.シンプルなサイトが増えてきています。
現在では、構成の密度は低くなり、ページは長くなる傾向にあります。このようなトレンドには、単に見た目を今風にする、ということだけでなく、ただでさえ、わかりにくく自分が目的とするページになかなかたどり着けないケースも少なくないのではないでしょうか。特に、PCより多くのスマホユーザ側の立場に立つと、複雑なレイアウトだと、どこに何があるのか、何が言いたいのか、検索者にとって有難迷惑な、難解な図表やチャートなどの複雑で細い文字はPCや商品カタログやパンフレットで見慣れたレイアウトもスマホでは敬遠されます。何度もリピートしたい読者からすると、見やすい、わかりやすい、迷わないサイトが好まれます。これがサイト構造設計の基本かと思います。

また、近年はスマホやタブレットのみならず、ノートPCでも、マウスに戻れない快適なタッチスクリーンの実装が増えつつあります。タッチスクリーンでは、指でのタッチが基本操作となるため、細かな操作はできません。そのため、画面構成をシンプルにし、要素間のスペースもゆったりさせ、画面に映し出される要素が少なくなるため、ページは長くなり、スクロールすることが多くなってきます。

よく採用されているのが、タテ列がひとつの1カラムのレイアウトです。かつては、右もしくは左にメニューバーやバナーなどを設けた2カラムのレイアウトがPCサイトでも主流でした。ECサイトなどの情報量が多いサイトでは、3カラムレイアウトも多くみられました。しかし現在では、左右のカラムを取り去り、コンテンツ部分だけにフォーカスさせる1~2カラムレイアウトが増えてきています。

ユーザからすると、不必要なノイズが目に飛び込んでくることがなくなり、本当に必要なコンテンツに集中でき、文字はより読みやすく、画像はより大きく表示されるようにもなりました。

一方、目に飛び込んでくる情報量が減り、バナーなどを散りばめることによる偶発的な出会いは演出しにくく、ユーザ動線の設計は、より慎重に行わなければならなくなりました。例えば、サイト全体を2~3の低階層化し、さらにメニューをできるだけ少なく絞り込むなど、1ページ内のレイアウトだけにするだけでなく、サイト全体の設計の考え方を、見直すことが必要です。

2.SEO上位に表示されるには、Webデザインよりコンテンツが重要に!
SEOの上位表示の条件に、Webデザインはどれくらい影響するのか、について考えます。

Googleは、デザインの良し悪しを人間のように認識できません。そのため、いいデザインのサイトなら検索したら上位に優遇表示されるというわけではありません。本質的に重要なのは、ビル・ゲイツ曰くコンテンツイズキングと言われている通り、サイトで何が書かれているか、そのコンテンツ。変化が激しいSEOの世界で唯一、安定した集客を実現できるのが、読者が検索するキーワードを盛り込んだ、読者を魅了するコンテンツです。それが不十分であれば、そもそもデザイン溢れるサイトを構築しても上位表示されないでしょう。宝の持ち腐れ??・・・誰も見ていない、リピートされないサイトを評価するはずもないからです。多くのサイト、あなたのサイトはどうでしょうか?

考えてみると、デザインの良し悪しの判断基準は、個々の読者の主観が大きいとも言えます。もし、あなたが訪問したサイトが、盛沢山でなんでもあるのはいいんですが、複雑で、ごちゃごちゃとして何が何だかわからない、欲しい情報にたどり着けない。。。「見にくい」 「使いづらい」 と感じて、サイトからすぐに離脱することでしょう。サイトから離脱されれば、「滞在する価値がないサイト」 と、Googleに判断されそうです。怖いのは、その一度来た読者はリピーターにならない、二度とサイトに来てくれないことです。これでは、流入数が安定成長することが出来ません。せっかく、あれ程こだわりと手間と費用をかけたデザインなのに、これでは、何のためのサイトかわかりません。
直帰率や滞在時間のパフォーマンスの低さは、ユーザーがサイトに満足していないことの証拠です。ユーザー体験の観点からデザインやレイアウトを改善する必要があるでしょう。例えば、見やすい、使いやすいデザインに改善すれば、直帰率は下がりますし、滞在時間や回遊率が上がります。

「デザインを良くすれば検索順位が上がる」 という単純なものではありません。しかし、デザイン技術も進化して、サイトの印象や利便性(ユーザビリティ)を左右するのも、また事実。サイトの第一印象は重要だといえます。ここで強烈な印象を与えられれば、ユーザーの記憶に残り、再訪問につながり、リピート化が高いサイトにもなります。

3.サイトの上位表示(SEO)に間接的影響を与えるデザインのポイントのご紹介

  1. ファーストビュー
  2. ヘッダーやロゴ
  3. グローバルナビゲーション
  4. パンくずリスト
  5. アイキャッチ画像
  6. カードリンク
  7. 記事装飾
  8. モバイルフレンドリー対応

1)ファーストビュー
ファーストビューは、サイトの印象を決定づける重要なパーツです。人間の第一印象と同じであり、ここで「ダサい、見づらい、わかりにくい」 と思われると、その印象をほかの部分で覆すのは難しいと言えます。

2)ヘッダーやロゴ
もし、デザインにあまり時間や工数を割けなかったとしても、ロゴだけは最低限、質の高いものを用意しておきたいですね。ちなみに、ロゴはヘッダーの左側に配置することを推奨します。それには以下の理由があるからです。

3)グローバルナビゲーション
グローバルナビゲーションは、サイトの全ページに設置するリンクのことで、通常はサイト上部に配置します。以下のようなサイトの場合、例えば、このような重要なページへのリンクを貼りましょう。

【企業サイト】
〇会社案内
〇商品紹介
〇事業紹介
〇特集ページ
〇採用
〇資料ダウンロード
〇お問い合わせ

【商品サイト】
〇選ばれる理由
〇商品情報(ニーズ別・業種業界別・カテゴリーや商品別・解決事例別)
〇事例紹介
〇商品知識を強化する
〇Q&A
〇資料のダウンロード
〇お問い合わせ

【オウンドメディア】
〇基礎知識に応えるテーマ
〇潜在ニーズに応えるテーマ
〇顕在ニーズに応えるテーマ
〇比較検討に応えるテーマ
〇購入に応えるテーマ

全ページからこれらのページに移動できれば、ユーザーの利便性はアップします。スクロールしてもつねに表示されるよう、グローバルナビを固定してもいいでしょう。

4)パンくずリストでページ階層を明確にする
パンくずリストは、いま閲覧しているページのサイト内における階層が一目でわかるリンクのことです。「いま自分はどこを閲覧しているのか?」 が明確になるので、ユーザビリティが向上します。前の階層のページにもクリック一つで移動できることも、ユーザーの利便性を高めてくれます。また、パンくずリストはGoogleのロボット(クローラー)にとっても重要です。パンくずリストが設置されていることで、サイトのページ階層をクローラーにわかりやすく伝えられ、Googleから適切に評価されやすくなります。

5)アイキャッチ画像で読者の目を引く
画像を適当に選んで使っていたら、デザイン性は大きく下がってしまいます。そのため、アイキャッチ画像は質の高いものを、統一感をもって選定しましょう。

もうひとつ、記事のタイトルは、アイキャッチ画像の下に配置してください。人の視線は「ビジュアル」→「テキスト」の順番で動くからです。図版の下のキャプションを読む人は、ボディ・コピーを読む人よりも多い。だから、図版の下には必ずキャプションを入れること。タイトルをアイキャッチ画像の下に配置することをオススメします。

6)記事装飾を適度におこなう
すべての文字が同じ大きさ、太さ、色だと、どこに注目すればいいのか、読者はわかりにくくなります。もちろん、ユーザーに読む気があれば、どのような見た目の文章でも読んでくれます。しかしほとんどの場合、読者は高いモチベーションで文章を読むわけではありませんので、太字、囲み枠(ボックス)、青字のように適度な装飾を加え得ることも考えます。適度な装飾であれば、滞在時間や直帰率のパフォーマンス改善が期待できます。