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キーワード調査から検索意図を読み取る、4つの基本的な方法と注意点【ネクストライク189号】

検索意図がどのようなもので、その重要さがわかっても、検索意図を把握するための前提として、実際にユーザーがどのような検索意図で行動しているかを知ることが出来なければ意味がありません。

そこで、ユーザーのニーズを調査してキーワードを選定するすることが必要となってきます。

ユーザーが何を求めているのか?ゼロから始めるキーワードの選定にあたっては、絶対といえる手法はなく、基本的な調査に加え、日頃のキーワードへの関心で湧き出るものや仕事を通じて感じる、いわば、自分のセンスが武器になります。
次に、キーワード調査する基本的な4つの方法と注意点について考えてみます。

1.実際に上位表示されているコンテンツを調べてみる

実際に、そのキーワードで検索してみて、上位表示されているページの各見出しに設定されているコンテンツをチェックします。上位サイトであるということは、Googleから「そのキーワードでの検索された中で、これは、ユーザーの検索意図に応えているコンテンツ」だと評価されている証拠だからです。キーワード自体を調べるだけでなく、その内容を調べることで、ユーザーがどのような検索意図で検索し、どんなサイトが多いのか、「どのような内容のコンテンツが高く評価されているのか」、競合はどんな記事を公開しているのか、そのターゲットや記事のタイトル、内容・記事数・文字量はどうか、その傾向が一覧で知ることができます。

2.サジェストキーワードを調べる

Googleの検索窓にキーワードを入力すると、関連する候補キーワードが自動的に表示されます。
検索する際にメインとなるキーワードの後ろにスペースを入力することで候補となるキーワードが表示され、複合キーワードとなる様々なサジェストが一覧で表示されます。多くのユーザーに何度も検索されており、重要度が高いとGoogleが判断したキーワードや、類似するキーワードなどが表示されます。このサジェストキーワードを調べることで、「ユーザーはどのような情報を知りたがっているのか」「いま、どのようなことが話題になっているのか」などが把握でき、検索意図を読み取ることができます。

これは、実際に検索されているキーワードとなる候補を参考にしてみるというもので、単語そのものは違っても検索意図が同じ場合も十分考えられ、時に、意外な検索意図などの発見があるかもしれません。

3.検索結果画面で関連キーワードを調べる

実際にキーワードを入力して検索を実行すると、検索結果画面の下部に「○○に関連するキーワード」として関連キーワードが表示されます。この関連キーワードも、ユーザーの検索ボリュームが多く、よく検索されているキーワードであり、検索意図が反映されていることが読み取れます。

4.お悩み相談やQ&Aサイトを調べる

“お悩みキーワード”といった何かを解決したい場合の検索意図は「Q&Aサイトで調べる」というアクションを実際に起こしていることからも、ユーザーの検索意図や必要度合いが把握しやすいと言え、「Yahoo!知恵袋」や「OKWAVE」のようなお悩み相談・Q&Aサイトを参考になります。新たなキーワードを元に検索意図を見つけることができるかもしれませんが、検索意図である“答え”がそのままコンテンツとして反映されているはずです。お問合せに含まれるキーワードはもちろん、それに対する答えに含まれる解決策もひとつではないはずです。ある質問を多くのユーザーが参考にしている場合は、そのトピックに同じような悩みや問題を感じているユーザーが多いことを意味します。最近使用されているハッシュタグなどを元にユーザーがどういった発信を行っているのかをチェックするのも参考になるかと思われます。また、ターゲットとなる雑誌や競合のLPなどに目を通してみると面白いキーワードが発見できるかもしれませんので、常に調べておくことが大切になります。

5.サイト流入分析専用ソフトで調べる

サイト流入分析専用ソフトは、有料ですが、自サイトがどういったキーワードで流入しているか、どんなコンテンツの検索が多いのか、気になるキーワードの関連ワードの検索数の比較などを行うことができます。そのうえで、キーワードごとの上位表示難易度と月間検索予想、必要な子記事数などを調べ、コンテンツ作成するか否かの判断基準とします。この分析ソフトは、グーグルアナリティクスとサーチコンソールを解析しながらサイト全体の流入対策を図るだけではなく、サイト自体の価値を高めるためにも重要な位置を占めます。

【注意したいこと】
実際にキーワード調査しキーワードを絞り込みや選定するときに、いくつか注意したい点があります。

1)上位表示記事自体に、検索意図とは異なるコンテンツが含まれていたり、自社のサイトや記事の参考にならなかったりなど、そもそも競合ではない市場やターゲット、サイトの場合があります。なので、上位記事を気にすることは、むしろ問題になります。競合との差別化を図るためにも、検索エンジンにも高く評価される要因にもなるためにも、オリジナルコンテンツを作成することに力を入れることが重要になります。

2)網羅性を重視するあまり、すべての検索キーワードを検討したり、検索結果の数ぺージを見てコンテンツの参考にしてしまうことは避けます。それが狙ったターゲットやコンセプトと異なるサイトであったり、記事検索意図から外れた内容が含まれていたりする場合があるからです。

3)対策キーワードに対する検索結果からユーザーが何を求めているかの検索意図を推察することが重要になります。それは、検索ユーザーのためだけではなく、検索エンジンにコンテンツ内容を正しく理解してもらい、その検索クエリに対して相応しいコンテンツであることを伝えるためでもあります。難解なコンテンツの場合には、要点一覧にしたり、参考情報を提示するなどで、ある程度、主旨をまとめていくことも大事になります。

4)特に、忘れてならないことは、ニーズの先回りです。キーワードから感じられる検索意図を自分なりに推察し、例えば、どんな読者が多いのか、それはどんな潜在ニーズを持つ特徴があるのか、心配事や関心事は何なのか、それに答えるコンテンツが作成できそうかを洞察し、仮説し、作成し続けることが重要です。

5)最後に、検索キーワード一覧に表示されていない、検索結果にないキーワードも見逃してはなりません。必ずしも、ユーザーは自分の深層心理に応える確実なキーワードをいつも意識して検索できているわけではありません。検索キーワードの行間にある”声なき声”を探すことを忘れてはいけません。ターゲットとするユーザーの深層心理、検索意図を探るとは、このことを指します。”行間”を洞察し、そこに秘められた”声なき声”キーワードを開発してこそ、ユーザー心理の先回りが出来、サイト全体の付加価値、魅力が増すというものです。
マーケティングの基本である、ユーザーニーズを知ることの大切さは、ここにも生きています。