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【後編】★「住設・建材」業界のオウンドメディア企画設計の実際【ネクストライク196号】

【後編】★成功させるためのコンテンツ企画設計で押さえること
10.コンテンツの作成・公開

11.SEO対策
12.効果測定と改善
13.まとめ

10.コンテンツの作成・公開

1.キーワードの選定
ターゲット選定の次は、キーワード選定です。キーワード選定では、ペルソナ(ターゲット)の悩みや欲求に関係するキーワードを選ぶわけですが、ターゲットが曖昧な状態では、キーワードを選びようがなく、例えば、キーワードを適当に選んだりキーワード対策しなければ、せっかくのブログに誰も来てくれないことになります。ブログで成功するためには、いきなりキーワード選定作業からスタートしてしまわないことです。

検索数が多いビックワードほど、上位表示させることが難しいため、いきなり上位表示の難易度が高いビックワードを狙うのではなく、キーワード選定では、検索数が少ないワード(2~3語のロングテール含む)を数多く上位表示させることで、サイト全体の流入を増やします。
検索ボリュームの小さいキーワード、2~3語で構成されるロングテールキーワードは、検索する人の意図が明確なだけに記事もつくりやすく、検索されやすいと言えます。
競合があまり流入を意識していないため上表示できる可能性が高いため、ロングテールキーワードをタイトルに盛り込むことで様々なキーワードから流入を獲得することが可能になります。
特に、ブログのドメインパワーが弱いうちは、ビッグキーワードを狙うよりも、読者にフィットした多くのロングテールキーワードで細かいコンテンツを積み上げていくことがSEOのいい成果にもつながるとても確実な戦略です。

2.カテゴリーの設定
コンテンツのタイトル案が作成しながら、そのタイトル案をカテゴリー分けします。これを行うことによりサイトへ公開する時にどのカテゴリーに記事が紐づけるのか整理でき、読者にとっては、検索しやすいこと、記事数がある程度用意されている(10記事以上)ことで、タグやカテゴリー同士を回遊することができます。
また、カテゴリー分けをし、それに紐付いたディレクトリにコンテンツを分けることで検索エンジンが構造を把握しやすくなるため、評価されやすくなります。

3.記事の作成
カテゴリーとタイトル案が作成できたら、いよいよ記事の作成に入ります。
記事を作成する際には、以下の点に注意します。

1)タイトルで読者の注意を引く
・検索ニーズのあるキーワードを含ませる
・流入させたいキーワードを意識する
・関連キーワードを盛り込む
・サジェストキーワードを洗い出す(googleサジェストキーワード、ラッコキーワード)
2)リード文で興味を掻き立てる
3)見出しで明確な答えを示す
4)本文で見出しの内容を説明する
5)まとめ文書で行動を促す

1)タイトルで読者の注意を引く
ブログ記事の場合、検索する読者が最初に目にするのは記事のタイトルです。ここで注意を引けなければ、記事が読まれることはありませんので、検索意図に沿った、読者の興味関心を刺激する、読者が思わずクリックしたくなるようなタイトルが最優先です。

検索エンジンはタイトルに含まれているキーワードをもとに、どのページを読者の検索結果画面に表示するかの参考にしていますので、このタイトル案が検索エンジンにも重要になります。
検索画面に表示される文字数制限があり、重要なキーワードが省略されるとクリック率に影響されるのを防ぐためには、タイトルの前半箇所にキーワードを配置、また、これにより、読者の目にも、早く止まりやすくなるメリットにもなります。

タイトルで注意を引くポイントは、以下のようなものです。
1)必ずキーワードを含める(なるべく先頭に配置する)
2)短いタイトルにする(タイトルの文字数を32文字以内(以降は「…」になってしまうので注意)3)ベネフィットを伝える

つぎに、記事ごとの見出しを作成することでどのような内容の記事になるのかイメージしやすくなりますので記事ごとの見出しを作成します。
タイトルや小見出しには、対策するSEOキーワードや関連キーワードを含めるタイトルにキーワードが含まれていなくても、Googleは記事の内容を理解できるように進化しつつありますが、現時点(2020年)ではキーワードを入れたほうが確実です。検索結果で情報を探す人の注意力や集中力は、あまり持続しません。一瞬で記事の内容を理解できることが重要であり、そのためにはタイトルが短いほうが有利です。そして、タイトルにはベネフィット(読者にとっての最大の利益)を入れます。

2)リード文章で興味関心を駆り立てる
タイトルで注意を引いて読者を記事に呼び込んだら、次はリード文で読者の興味・関心を掻き立てます。タイトルをクリックして記事に流入してきた読者は、すでにある程度の興味・関心を持っていますので、リード文では「あなたの求める情報や悩みの解決策が本文に書いてあります」 ということを伝えれば先を読む動機を与えることができます。

3)見出しで明確な答えを出す
基本的に、悩みの解決策や疑問に対する答えが欲しくて読者は記事を読んでいるはずですので、解決策や答えを見出しに書いてしまうことをオススメします。インターネットで記事を読む読者は、とにかく結論を先に求めがちですので、見出しで解決策や答えを書いてしまう方法が最適です。細かな内容は、見出しのあとの本文で書きます。

4)本文で見出しの内容を説明する
見出しで結論を書いたあとは、本文でその詳細を説明していきます。以下の流れで書いていくと、わかりやすい文章になります。

  1. 結論(Point)
  2. 理由(Reason)
  3. 具体例(Example)
  4. 結論(Point)

5)まとめ文章で行動を促す
まとめ文では、記事で最も伝えたかった主張をもう一度繰り返したり、記事の要点を箇条書きで整理したりします。加えて、メルマガ登録や広告クリックといった読者の行動を促すCTA(Call To Action)の機会を増やすため、関連記事に誘導して、ブログの回遊率をアップさせることも考えます。
また、単純に「今回解説したノウハウを早速、実践してみてください」 といった、読者の背中を押す一文を添えて、読者になにかしらの行動を促すことも有効です。

あなたのブログの情報に触れて、具体的な行動を起こせた読者は、きっと、あなたのブログに強い信頼と感謝を感じ、ファン(リピーター)になるはずです。

ぜひ、ターゲットを明確に絞り込んでみてください。そうすれば、適切なキーワードを選ぶことができますし、コンテンツもはるかに書きやすくなるはずです。また、コンテンツの設計と同時に、「そもそもなぜ、ブログをやるのか」 という根底の使命や理念を見つめ直すことも大切です。

11.SEO対策

オウンドメディアの成功ポイントは「コンセプトの設計」「コンテンツの継続作成」
に加えて、「SEO対策」にあります。
SEO対策の前提は、差別化でき、付加価値のある商品なのか、サイト自身がターゲットに魅力的な提案ができるか、にかかっています。
確かに、SEOは重要ですが、コンテンツはさらに重要なことは忘れてはなりません。

たとえば、一旦、検索上位に表示されたとしても、そもそもコンテンツがない、期待ほどではない内容であれば失望し、決してリピートしてくれなくなり、流入も減ることになってしまいます。
つまり、良質なコンテンツに勝るSEOはないと言えます。

短期的に広告やランディングページなどにより上位表示させることはできますが、無理やり上位表示するための策ですから、やがて、検索されずに表示も下がってしまいます。
独自に評価基準(アルゴリズム)を変更するgoogleに振り回せられないで、長期的な視点で、ペルソナの指名をいただく、細かい対策をコツコツ打ち出し着実に成果を出す取り組みが必要です。
大事なことは、自分がコントロールできないことに気を取られて時間を無駄にせず、コンテンツ作成や内部リンクの見直しに費やすことです。

「SEO対策」を考えます。
SEOの原則は、
1.ターゲットが検索するであろうKWを選び、検索ボリュームをチェック、SEOや自社の優位性を担保するKWを最終的に決めます。
2.ターゲットを満足させるコンテンツの作成する。専門性や権威性、信頼性、差別性を含む。
3.使いやすい(探しやすい)サイト構造にする(内部対策)。
視認性がよくタップしやすい構成、読み込みスピードが速い、モバイル対応、内部リンクなど。

「SEO対策」と「運営」について考えます。

1.「分析」について
大きくは、以下の6項目です。
1)チャネルごとの流入比率と推移を見る(グーグルアナリティクス)
2)どのキーワードで流入してきているか、を見る(グーグルサーチコンソール)
3)評価の高いページ・低いページはどれか、を見る
4)CVR/CV数を見る
5)CVや中間CVからの受注率・受注数の評価を見る
6)ギャップを知る

2.「対策と運営」について
1)「完璧」を求めても想定通りに運べるか、なかなか見えにくいのが実際です。
どんなに考えても、事前に100%はわからないし、どんなに時間をかけても、きっと、わかるまでは至りません。特に開設時は仮説ベースで始め、ある程度のコンテンツが蓄積でき、一定の訪問数(たとえば、5,000~)になって読者の動きが見えてきて、分析対策が効果を出せる段階になってから運用する精度を高め、コンテンツを含むサイト全体の洗い直しを行なうことが、現実的です。

2))検索経由のユーザーは顕在客、SNS経由のユーザーは潜在層と言えそうですが、それぞれの層の集客だけではなく、いかにコンバージョンさせるか、その動線「成功パターン」をトライ&エラーで検証して発掘するかがポイントです。

3)お客さま心理をいかに取り組み、段階的に”その気にさせる”ことに集中して考えることが大事です。
とかく、いろんな手法やデータが出てくると、それに振り回されて、なにの、どこを見て、どう判断して、どう対策を打てば、どうなる、だから、このくらいの目標に行けるだろう・・・と考えても、なかなか、うまくいかないのではないでしょうか?
頭でっかちに考え、だんだんややこしくなって、段々、なにをどうすればいいのかの大方針がつかめなくなる。
木を見て森を見ず・・・に。
手法やデータは、サブツール、メインツールは、我々の頭です。
データを見る前に、自分なりの仮説を立てて、出てきた手法・データの「思い通りな点」と「意外な点」を整理し、その上で、部分的ではなく、全体視点で打ち手を考えます。

3)SNSへの投稿はWebサイト内のコンテンツへの導線に成り得ます。新しいコンテンツをWebサイトへアップした際にSNSでお知らせすることで、コンテンツを見てもらう機会が増えます。SNSにもそれぞれユーザーの傾向があります。ターゲットユーザーに合わせてSNSを選び、SNSの特性に合わせた投稿をすることで、より効果的にユーザーへアプローチすることができます。
注意すべき点として、「住設・建材」商品は、他業界商品と比べ、また個人間同士とも比べても、SNSの活用では、見栄えや内容的にインパクトが弱いためにあまり共感されなく、うまく運用できていないようです。企業SNSは、ターゲット特性やSNS親和性から考える必要があります。

)ランディングページの工夫
そこに来た、ユーザーの深層心理にあった内容であるか否か、です。コンテンツのストーリーが大切です。
1)ユーザーが気にするポイントを端的に指摘する
2)共感を得る流れをつくる
3)こうすれば、どうかという解決方法を伝える
4)裏付けや証拠を示す
5)いま、どうぞ、と背中を押す

12.効果測定と改善

公開して終わりでなく、記事ごとの流入数やUU数、PV数などを分析し、タイトルの変更を行ったり、記事内容を修正する必要があります。

コンテンツの企画設計で大事なことは、コンテンツの「質」を語るのは、ある程度の量をこなしたうえで言えるということです。
流入、ページビューが増えてもいないのに、悩む必要はありません。
増えてきて、頭打ち傾向になり始めた時に、打開策を考えても、決して遅くはありません。
アクセスするという答えを持つのは、読者。その読者の受け止め方や価値観が多様化している今、運営側が、先入観でもって、一方的に、これが成功のポイントと言っても、失敗します。

ある程度の記事数に増え、流入数が増えた段階で、Google アナリティクスやサーチコンソールなどの解析ツールを使い、サイトの流入数やPV、新規とリピーターの増減、流入経路、滞在時間、離脱率などを追跡、期待した効果が上がっているか評価、改善します。
例)
・「表示回数が少ない」⇒当該KWに関連する記事数を増やす、KWの見直し
・「検索順位が高くてもクリック率が低い」⇒クリックされやすいタイトルにする(質問形式など)
・「表示回数が多いのに検索順位が低い」⇒記事の内容を濃くする(専門性を含んだ記事の質量の充実)

【改善チェックリストの例】①企画上のこと
▢ペルソナの設定が出来ているか
▢カスタマージャニーのチャネルとタッチポイントは網羅されているか
▢実際の商談の場でも活用される工夫はされているか
▢メルマガ配信、イベント・展示会、キャンペーン、などで告知を行なっているか
▢「・・・なら、このサイト!」を目標とした企画になっているか

②コンテンツのこと
▢お客様目線であるか
▢定番的なものはあるか
▢タイムリーなものもあるか
▢SEOキーワードは適切か
▢コンテンツの2次・3次利用はなされているかその企業・商品のキラーコンテンツはあるか

③効果測定のこと
▢広告の見直し
▢本質的な考え方は出来ているか
▢経費としてではなく投資としての前向きな予算化は出来ているか仮説をもって対策を考えているか▢分析レポートは細かい数値より全体としてわかりやすい方向性が出ているか

13.まとめ(※前編も含めまとめ+ネクストPR)

1.広告や展示会、イベントと違い、デジタル施策は短期的に流入を増やしたり、上位表示だけを狙うのではなく、中長期な目標に向かって、地道な改善施策を行うことによりサイト全体のコンバージョン(お問合せ)を最大化させる戦略です。
特に、「住設・建材」などのBtoBやBtoBtoC業界では、設計や流通販売ルートが一番のコンバーション(お問合せ)が行われる戦場。その意味で、Wsebサイトやメルマガ・MAで流入させるオンラインのデジタル施策だけではなく、オフライン施策である、設計でスペックインさせ、流通販売ルートでの見積もりされることを考えた「住設・建材」コンテンツの企画設計が不可欠になります。

2.オウンドメディアは、マーケティングコミュニケーション手法のひとつ。マーケティングコミュ二ケ―ション視点を忘れないことが重要です。
オンライン施策である、攻めツールであるメルマガ・MAと、受け皿となるWeb(商品や販売支援、オウンドメディア)、SNS、そしてオフライン施策である広告・セールスプロモーションの、2つの施策を複合した”丸ごと”事業マーケティングをご支援しております。
デジタル施策と言う狭い視点ではなく、事業マーケティング全体的な施策の中で、どう、このオウンドメディアを生かすか、をマーケティングコミュニケーション視点で考えることで成果を出すべきと考えます。

3.ネクストは、BtoB、BtoBtoC業界に特化したマーケティング施策力があるからこそ、デジタル施策にも強くなり、イベントや研修会、定期情報誌、キャンペーン、販売コンテスト、販売マニュアルや提案セールスツールなどのコンテンツマーケティング企画制作の経験とノウハウを生かせるからこそ、オウンドメディア企画設計力を持つことが出来ました。オウンドメディアを含むデジタル施策のご支援は、業界と商品を熟知し、マーケティングの知見を持ち、新しいデジタル施策を追求するとともに、コンテンツを企画設計し、コンサルティングをも行う、”丸ごと”ご支援も出来る専門的知見を有するスタッフ体制をもって、サポートしております。